タンタルの落ち着いた黒灰色は、表面に塗った色ではなく素材そのものの色です。使っていく中で表面の光沢や見え方が変わることはありますが、メッキが剥がれるように別の下地色が出てくるわけではありません。
また、硬い素材だからといって、まったく傷がつかないというわけでもありません。使い方によっては細かな使用傷がつくことがあります。ただ、私たちが製作やアフターケアで見てきた実感では、一般的な貴金属より傷は入りにくく、深い傷にもなりにくい側です。
傷がどのくらい目立つかは、仕上げによっても変わります。鏡面、つや消し、槌目など、選ぶテクスチュアによって傷との付き合い方も変わるので、見た目だけでなく長く使ったときの変化まで含めて選ぶと分かりやすくなります。
タンタルの黒灰色は、使ううちに剥がれる?
タンタルの黒灰色は、黒い塗装やメッキでつくった色ではありません。素材自体がこの色をしています。
そのため、表面が擦れたり細かな傷がついたりしても、その下から銀色など別の色が出てくるわけではありません。
長く使って「少し明るくなった」「くすんだ」と感じる場合は、色が剥がれたというより、細かな傷や皮脂、表面の光沢の変化によって見え方が変わっていることがあります。気になる場合は、汚れを落としたうえで再研磨や再仕上げをすることもできます。

タンタルにも傷はつく?
タンタルは、私たちが扱う素材の中でも削るのにかなり手間がかかる金属です。私自身、さまざまな金属を切り、削り、曲げ、伸ばし、磨いてきましたが、削るのに時間がかかる金属ほど、日常使いでも細かな傷が入りにくいと感じることがあります。
タンタルもその一つです。傷がまったくつかないわけではありませんが、製作やアフターケアで戻ってきたリングを見ても、一般的な貴金属と比べると細かな使用傷は入りにくく、深い傷にもなりにくいというのが職人としての実感です。
ですから、日常使いで傷のつきにくさを重視する方にとって、タンタルは選ぶ理由のひとつになります。

傷の見え方は、仕上げによってどう変わる?
傷がつくかどうかだけでなく、ついた傷がどのくらい目立つかも、リング選びでは大きな違いになります。ここはテクスチュアによってかなり印象が変わります。
鏡面仕上げ
鏡面は表面が均一に光を反射するため、細い線傷は比較的わかりやすくなります。
タンタル自体は傷が入りにくい側ですが、鏡面のきれいな光沢を長く保ちたい場合は、硬い物へ強く当てないなど、使い方には少し気をつけた方がよさそうです。

つや消し仕上げ
つや消し仕上げは、細かな傷が表面の細かな凹凸に紛れやすく、比較的目立ちにくくなります。
一方で、ぶつけたときにできる大きめの傷や凹みまで見えなくなるわけではありません。細かな使用傷をあまり気にせず使いたい方には選びやすい仕上げです。
槌目などの凹凸仕上げ
槌目などの凹凸仕上げは、表面のキラキラした反射の中に細かな傷が紛れやすく、3つの中では傷が比較的目立ちにくいグループです。
傷がついた場合も、主に出っ張った部分が先に当たりやすいため、くぼみの部分は比較的ダメージを受けにくく、長く見た目の変化が少ない仕上げです。
細かな傷をできるだけ目立たせたくない場合は、槌目などの凹凸を生かしたデザインも選択肢になります。
Seven Dreamsの「和紙柄」も、傷との付き合い方から選べるテクスチュア
当店で特に人気の高いオリジナルテクスチュアが、和柄の「和紙柄」です。
レアメタルの表面に細かな凹凸をつけ、和紙を思わせるやわらかな風合いを表現しています。見た目のやさしさだけでなく、この細かな凹凸が日常使いの細かな傷を受け止めて目立ちにくくするため、長く印象の変化が少ない外観を楽しみたい方にもおすすめしています。
タンタルらしい落ち着いた色を生かしながら、鏡面とは違うやわらかな表情と、細かな傷との付き合いやすさを両立したい場合に選びやすい仕上げです。
テクスチュア選びで、傷との付き合い方は変わる
鏡面、つや消し、槌目などは、完成したときの見た目が違うだけではありません。使い続けたときに傷がどう見えるか、どのくらい変化を感じやすいかも変わります。
鏡面の強い光沢が好きなら、その光沢を保つために少し丁寧に使う。細かな傷をあまり気にしたくないなら、つや消しや槌目などを選ぶ。こうした考え方をすると、テクスチュア選びが見た目だけでなく、日常での使いやすさにもつながります。
デザインを選ぶときは、新品時の写真だけでなく、長く使ったときの見え方まで含めて考えると、自分に合う仕上げを選びやすくなります。

普段のお手入れについて
普段の汚れは、水で流して柔らかい布で水分を拭き取る程度から始めてください。
市販の研磨剤などで強く磨くと、鏡面やつや消しの仕上げそのものが変わることがあります。傷やくすみが気になる場合は、ご自分で削ったり磨いたりする前に、リングの状態を確認する方が仕上がりを保ちやすくなります。
また、重量物を持つ作業や工具を使う作業、強い衝撃が加わるスポーツなどでは、素材の硬さに関係なく指の安全を優先して、必要に応じてリングを外す方が安心です。
傷や光沢の変化が気になったときの再仕上げについて
通常使用でついた細かな傷は、状態に応じて再研磨で鏡面を整えたり、つや消しを入れ直したりできます。
深くえぐれた傷については、状態によって肉盛り溶接を検討することもあります。石留めや刻印、リングの形によって対応方法は変わるため、まず実物または写真で状態を確認します。
タンタルは、使っていく中で表面の見え方が変わることはありますが、素材そのものの黒灰色がメッキのように剥がれて別の色が出てくるものではありません。長く使った表情をそのまま楽しむこともできますし、節目に再仕上げして整えることもできます。
傷や光沢の変化が気になった場合は、リング全体と気になる部分の写真をお送りください。状態を確認のうえ、再研磨・再仕上げ・修理のどの方法が合うかを見て、できるだけ良い状態へ整えるための対応をご提案します。
傷や光沢の変化は、写真からご相談いただけます
リング全体と気になる部分の写真を確認し、当店から再研磨・再仕上げ・修理のどの方法が合うかをご案内します。


