はい、実用性は十分にあります。カラーリング加工に使われるレアメタル(チタン・ジルコニウム・タンタル・ハフニウム)は、いずれも強靭な性質を持ち、日常使いに十分な耐久性を備えています。
色落ちの主な原因は、衣類や食器など身の回りのものとの摩擦です。一方で、薬品や温泉の影響には比較的強く、当店の製作実績の中でも、それらが原因と考えられる変色は原因不明の一例を除いてほとんどありません。
この「実用性」を実現するために、当店ではデザインの段階から一貫したこだわりを持っています。すれやすい角を避け、へこんだ縁の内側など擦れにくい場所に発色部分を設計すること。さらに、発色させる溝も少し深め(0.4mm以上が目安)に成形し、衣類や指、バッグの金具などが触れても発色への影響を最小限に抑える構造にしています。
ただ、溝を深く細くするほど、濃い色は暗めに見えやすくなるという現場の知見もあります。特に濃いブルー(インディゴ)やパープルは黒っぽく沈んで見えがちです。当店では、この教訓を踏まえ、耐久性を優先した構造設計だけで終わらせず、最終仕上げの段階で職人が目視による色調整を丁寧に行うことで、「長く美しい発色」と「実用的な耐久性」を両立させています。婚約指輪を「特別な日だけの指輪」ではなく「毎日をともにする指輪」として、安心して選んでいただける理由のひとつです。
